インターネット上には表の世界とは別に、通常のブラウザでは検索できない裏の世界ともいえるダークウェブがあります。
このダークウェブを迂闊に見ていると酷い目にあってしまうことも少なくありません。
今回は、ダークウェブを見て酷い目にあう事例と防衛策について解説していきます。
ダークウェブには何がある？
ダークウェブには、SNS、ソーシャルメディア、仮想通貨サービス、ダークウェブ上にあるサイトのための検索エンジンなどがあります。
通常のWEBサイトと変わらないコンテンツもありますが、ダークウェブのコンテンツは通常のブラウザからは閲覧できません。
ダークウェブには、匿名で利用できる点を生かしている情報が多くあります。
たとえば、言論の自由が統制されている国からアクセス制限を受けずにアクセスできるニュースサイトや、告発者や情報提供者の個人情報を守る通報システムなどです。
また、流出した個人情報や違法な商品を売買するショップや、通常の動画サイトでは禁止されている刺激の強い動画の配信サイトなど悪意のあるサイトも存在しています。
ダークウェブで買えるものは？
「ダークウェブで買えないものを探す方がむずかしい」と言われるほど、あらゆるものが買えます。
合法なものもありますが違法なもの存在し、個人情報と口座情報が結びついたクレジットカードの情報や、身分証明書となるパスポート・運転免許証なども購入可能です。
ダークウェブを見ると酷い目にあうって本当？
ダークウェブは怖いイメージがあるのも事実です。
先ほど取り上げたように、ダークウェブには匿名性を利用した悪意あるサイトも存在します
「ダークウェブで売られている商品が違法と知らずに購入した」
「刺激の強い動画を目にしてトラウマになった」
という体験談を目にします。
違法なサイトは摘発を受けて削除されていますが、すべてなくなったわけではありません。
また、ダークウェブにアクセスするセキュリティの設定を疎かにしていたり、「自分は騙されることなんてない」と過信したりしないようにしましょう。
「PCや端末が未知のコンピューターウイルスに感染して買い替えることになった」
「個人情報を入力していないのに身元が特定された」
「詐欺にあい、個人情報もお金も奪われた」
などの被害にあって、使用端末や使用者本人へ危険が迫るリスクも高くなります。
ダークウェブの入り方【安全に使う方法】
ダークウェブに入るには、TorブラウザのダウンロードとVPN（Virtual Private Network、仮想専用回線）の設定が必要になります。
Tor(トーア)は「U.S. Naval Research Laboratory(アメリカ海軍調査研究所、NRL)」が匿名での通信を実現するために開発したネットワークで、匿名性を維持したままインターネットへ接続できるサービスです。
Torを通じてアクセスできるWebサイトが「ダークウェブ」であり、Torネットワーク内のサイトには通常のブラウザからはアクセスできません。
TorでのWebサイト閲覧は匿名性が担保できるものの、プライバシーとセキュリティをさらに強化するためにはVPNの利用がおすすめです。
使用する端末とネットワークとの間にVPNサーバーをつなぎ、端末とVPNサーバーの間の情報通信を暗号化すれば、通信のプライバシーをより強固に保護できるのです。
ダークウェブに入るには、以下の手順で準備します。
- スマートフォンやPCに「Tor Browser」か「Onion Browser」をダウンロードする
- VPNアプリをダウンロードする
- VPNサーバーに接続する
- Torを使ってダークウェブにアクセスする
VPNには無料と有料のものがありますが、通信速度が速く安全性が高い有料を選びましょう。
おすすめなのは、世界最大手で通信速度が高速なVPNサービスである「ExpressVPN」です。
VPNとTorを併用したダークウェブ閲覧の手順は、ダークウェブの入り方【VPNとTorの併用でアクセスする方法】をご覧ください。
ダークウェブを検索してはいけない？すべてが危険なわけではない
ダークウェブの中にあるコンテンツ全てが危険なわけではありません。
ダークウェブ上にも、通常のWEBサイトと変わらない安全なコンテンツは多く存在します。
ダークウェブの匿名性は、アクセスした人のプライバシーだけでなく、知る権利や言論の自由を守っているのです。
しかし残念ながら、匿名性を悪用して人をだまし、危険な目に合わせようとする人がいるのも事実です。
トラブルになりそうな事態をできるだけ回避して、自分の身を守ることが重要です。
ダークウェブをどうしても見たいなら【ダークウェブサイト集】
ダークウェブをどうしても見てみたい、という方のために、ダークウェブのサイト集を紹介します。
ご紹介したサイトにはセキュリティに十分注意してアクセスしてください。
- DuckDuckGo：サーフェスウェブでも利用できる、ダークウェブ検索エンジンです。個人情報を収集・共有しないため、オンラインの匿名性を高めたい場合に最適です。（https://duckduckgogg42xjoc72x3sjasowoarfbgcmvfimaftt6twagswzczad.onion/）
- Ahmia：ダークウェブ検索エンジンです。Torネットワークに関する統計、考察、ニュースを表示する機能もあります。（http://juhanurmihxlp77nkq76byazcldy2hlmovfu2epvl5ankdibsot4csyd.onion/）
- The Hidden Wiki：ウィキペディアのダークウェブバージョンです。ダークウェブ上のさまざまなウェブサイトへリンクが繋がっています。（http://zqktlwiuavvvqqt4ybvgvi7tyo4hjl5xgfuvpdf6otjiycgwqbym2qad.onion/wiki/）
- ニューヨーク・タイムズ：アメリカの有名な新聞社のサイトです。ダークウェブバージョンもあり、匿名で閲覧ができます。（https://www.nytimesn7cgmftshazwhfgzm37qxb44r64ytbb2dj3x62d2lljsciiyd.onion/）
- BBC：イギリスの代表的な情報機関です。一部の国ではアクセスが制限されていますが、ダークウェブに国際版のコピーが作成されたことで制限なく閲覧ができます。（https://www.bbcnewsd73hkzno2ini43t4gblxvycyac5aw4gnv7t2rccijh7745uqd.onion/）
- Facebook：実際のFacebookのミラーサイトです。ダークウェブでアカウントを作成することで、完全に匿名性を保持できるため、政府の検閲も回避できます。（https://www.facebookwkhpilnemxj7asaniu7vnjjbiltxjqhye3mhbshg7kx5tfyd.onion/）
- OnionWallet：暗号通貨とビットコインの資産運用サイトです。匿名で登録でき、資産を暗号化して安全に保護できます。（http://zwf5i7hiwmffq2bl7euedg6y5ydzze3ljiyrjmm7o42vhe7ni56fm7qd.onion/）
- Hidden Wallet：ディープウェブで最も人気のある匿名資産運用サイトです。ビットコインを安全に保管できます。（http://d46a7ehxj6d6f2cf4hi3b424uzywno24c7qtnvdvwsah5qpogewoeqid.onion/）
- ProtonMail：スイスの暗号化された電子メールサービスです。ログを残さず、アカウントを作成する際に個人情報の提供も必要ありません。（https://protonmailrmez3lotccipshtkleegetolb73fuirgj7r4o4vfu7ozyd.onion/）
- Hidden Answers：ダークウェブバージョンの質問サイトです。検閲なしで好きな質問ができます。（http://7eoz4h2nvw4zlr7gvlbutinqqpm546f5egswax54az6lt2u7e3t6d7yd.onion）
ダークウェブを見る際の注意点
ダークウェブに潜む悪意に惑わされないために、下記の点に注意しましょう。
お金儲けの話に惑わされない
ダークウェブは閲覧に準備が必要なだけで、選ばれた人間のみがアクセスできる特別なサイトではありません。
そのため、「簡単にお金が増やせる」「他とは違って安全性が高い」「これを見たあなただけに『資産を増やせる裏技』を教えます」など、甘い言葉に乗ってはいけません。
また、ダークウェブには仮想通貨のサービスも存在しています。
お金じゃないから安心だと油断して、結果、多額の資金をつぎ込んでしまった事例もあるようです。
手軽さに釣られず、利用したければしっかり調べてください。
事件に巻き込まれないようにする
ダークウェブは、アクセスした人の身元が特定されない仕組みになっています。
しかし、自分自身の身元が特定されないから安心だと思っていても、こちらも相手を特定できません。
もし事件やトラブルに巻き込まれても、相手を特定できず泣き寝入りになる可能性もあります。
こうした事態を回避するためにも、
「違法行為を匂わせる誘いに乗らない」
「トラブルを誘発させる挑発的な行動・言動をしない」
といった、節度を守った行動が重要です。
嘘の情報に騙されない
ダークウェブ上には嘘の情報も珍しくありません。
騙されないためには「相手を疑うこと」が一番重要です。
情報を教えてもらったり、誘われたりしたら、
「一度、自分で調べてみる」
「その場では一旦断って、冷静になって考えてみる」
など、相手のペースに巻き込まれないことが大事です。
もしその場で決断を急かしてきたら、断っても問題ないでしょう。
まとめ
以上、ダークウェブを見たら酷い目にあうのかについて解説しました。
ダークウェブの閲覧自体に違法性はありませんが、ダークウェブには悪意を持って情報を流す人がいるのも事実です。
そのため、怪しいお金儲けの話や、犯罪行為に近づかないように注意しましょう。
ダークウェブ利用時のセキュリティとプライバシー保護のレベルを高めるためには、VPNの利用をおすすめします。
Torと併用して使うVPNには、世界最大手のVPNサービスである「ExpressVPN」の利用をおすすめします。
ExpressVPN以外のVPNから選びたい方は、安全性の高いおすすめVPNもあわせてご覧ください。